「仮説思考」を読んだ
WEBサイトやデジタルマーケティングの改善、もといデジタル以外であっても、仮説の構築とその検証が不可欠だと思っています。
特にデジタル領域は施策の結果を把握しやすく、かつ改善も比較的簡単にできることもあり、この辺りの仕事がWEBアナリストの仕事の1つだと思っています。
ということで、前置きが長くなりましたが、「仮説思考」という本を読みました。
読むにつれ、アクセス解析関連の本で書かれていること同じような思考方法やプロセスが紹介されていて、驚きました。
本を読んだ後、今まで行っていたアクセス解析のプロセスはある程度間違いではなかったことが分かり、この思考方法は他の分野、職種でも活かせるとも思いました。
以下特に参考になった箇所。
まず仮説ありき
仕事の進め方で大事なことは答えから発想することだ。
課題を分析して答えを出すのではなく、まず答えを出し、それを分析して証明するのである。
情報コレクターではアクションにつながらない
分厚い報告書を作る手間だけでも大変だし、結局は実際のアクションにつながらない、意味のない報告書になることが多い。
それどころか意思決定を遅らせる元凶にもなりえる。
わずかな情報から全体像を考える
手元にあるわずかな情報で、
「現状分析をするとこんな結果が得られる。その中でも真の原因はこれで、その結果としていくつかの戦略が考えられるが、最も効果的なのはこの戦略だ」
というストーリーを、十分な分析や証拠のない段階で作り上げる。
この場合、自分が作ったストーリー、つまり仮説を検証するために必要な情報だけを集めればいいので、無駄な分析や情報収集の必要がなくなり、非常に効率が良くなる。
間違ったストーリーを作ってしまう可能性
間違ったストーリーを作ってしまった場合は、証拠集めを始めた段階で、仮説を肯定するような証拠がなかなか集まらない。そのため自分の作ったストーリーが間違いであることにすぐ気づく。
環境変化への対応力がある企業
まず仮説を立てる。そして、その仮設を事前に徹底的に調べるのではなく、ある程度めどが立った段階で、後は実施して検証したほうが早い、という考え方が浸透している。
仮説思考の2つのステップ
1、問題発見の仮説
2、問題解決の仮説
仮説の進化
仮説→実験→検証は、繰り返せば、繰り返すほど良い。繰り返すことによって仮説が進化していく。
立ち止まって考えるよりも、とりあえずの答えをもって、実験するという方法も有効。
実験によって検証し、さらに良い仮説をつくり、さらなる検証によって仮説の精度を高めていくことが肝心。
よい仮説の条件
・掘り下げられている
→仮説を立てるときは常に「SO WHAT?(だから何?)」を考えて、具体的になるまで仮説を掘り下げる
・アクションに結びつく
まとめ
こうまとめてみると、かなりアクセス解析と近しいですね。
最後の「よい仮説の条件」の箇所なんてKPIを定めるにあたっての注意点とまったく同じですね。
(詳しくはこちらWebアナリスト養成講座レビュー(5) - Web Analystの日記)
このような仮説検証のアプローチが多くの企業で浸透すれば、私たちの仕事ももっと理解されるのですがw
そのためにもまずは社内・社外の啓蒙活動ですね!
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