「予想通りに不合理」を読んだ
前々から、ただツールから出てくる数値(what)を追うだけではなく、なぜ起きたか(why)を分析することがWEBアナリストの任務だと思っています。
それを遂行するに当たっては、ITやマーケティングの知識以外にも経済学や心理学などの知識も必要だと思い、ここ最近はこんな感じの本も読んでるわけです。
そしてこの本を読んだことで、アクセス解析や、そこから導き出すサイト改善案を考える際の何かしらのヒントを得たような気がします。
かなり有益な情報満載だったので、ここでは1つだけ紹介します。
私たちは身の回りのものを常に他のものとの関係で捉えている
以下の図をご覧ください。
有名な図ですが、真ん中の円の大きさは同じにも関わらず、周りの円の大きさによって、小さく見えたり、大きく見えたりします。
また、こんな例もあります。
とある会社が家庭用パン焼き機を販売したところ、消費者はその商品に無関心で、ちっとも売れませんでした。
そこで、マーケティング会社に相談してみると、こんなアイデアが提案されました。
それは、新モデルのパン焼き機を売り出すこと。しかも最初のパン焼き機より大型で値段は1.5倍のモデルにする。
すると、売上が膨らみ始めました。
ただし売れたのは大型のパン焼き機ではなく、当初ほとんど売れなかったモデルです。
この要因は、消費者が2種類のパン焼き機から選べるようになったためです。
一方のほうがはるかに大きく、はるかに高価なため、これまでのように比べようのないまま判断しなくて済むようになりました。
つまり、人間は身の回りのものを常に他のものとの関係で捉えている、ということです。
他にも人間が相対的な比較で行動する例が説明されていたのですが、このような行動は、ウェブサイト上で商品やサービスを売る場合、どのようにして自社の商品・サービスを魅力的にアピールするのかのヒントを与えてくれるような気がしました。
この他には以下の章があり、それぞれの章で人間が不合理に行動することを興味深い実験と共に説明しています。
- 需要と供給の誤謬
- ゼロコストのコスト
- 社会規範のコスト
- 性的興奮の影響
- 先延ばしの問題と自制心
- 高価な所有意識
- 扉を開けておく
- 予測の効果
- 価格の力
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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